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心臓病の愛犬と「楽しく」暮らすため、獣医師が情報を発信します! 僧帽弁閉鎖不全症、拡張型心筋症など良くある病気の説明から、 飼い主として出来る事まで幅広くお伝えします。
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Author:心臓の獣医師
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さて、安静にするための方法をお伝えしてきていますが、しつけや飼い主の対処以外にも
有効な方法があります。 アロマテラピーやフラワーエッセンス、ホメオパシーなどの いわゆる代替医療(だいたいいりょう)やホリスティック医療と呼ばれる方法です。 僕はこれらの分野の専門家ではありませんので個々のケースへのアドバイスや 対処をする事は出来ませんが、 「それって何?初めて聞いた」 という方もおられると思いますので、さわりだけでもご紹介したいと思います。 代替医療とは? 現在、皆さんが動物病院で受ける治療のほとんどは「西洋医学」に基づく治療です。 僕がここでお話ししているのもこの西洋医学の知識がほとんどです。 ですが、漢方、針治療、気功などの治療法も皆さんご存知ですよね? これらは「東洋医学」に基づく治療法です。 同じように、西洋医学以外にも治療法は沢山存在します。 でも、あまりに西洋医学が有名で一般的になってしまったために、 世の中では「医療=西洋医学」のような認識になっています。 その観点から、他の治療法を見た呼び名が代替医療です。 代替(=西洋医学の替わりになる)医療 という事ですね。 なんか脇役的な呼ばれ方ですが、効果が無い治療法ではありません。 ものの見方が違うだけなんですが、現在日本では圧倒的に西洋医学の方が有名なので こんな呼ばれ方になっています。 ちなみに、西洋医学と代替医療の特徴の違いは何なのかと言いますと、 西洋医学は身体を部分部分で細かく分析していくのを得意とするのに対して、 代替医療と呼ばれるものの多くは体全体のバランスを重視するという特徴があります。 そのため、「全体」という意味がある「ホリスティック」という言葉を使って、 ホリスティック医療 とも呼ばれます。 (厳密には色々定義があるようですが…) これらの治療法の中に、 * アロマテラピー(香りによる治療法) * フラワーエッセンス(花からとれる露による治療法) * ホメオパシー(患者さんの持つ性質と同じものを与えて回復を促す治療法) などがあり、これらの治療法の得意分野に、 リラックスさせること があると言う話でした。 やれる事をやってみたいという方は、選択肢に入れておいて損はないと思います。 スポンサーサイト
さて、では徐々に具体的な話に入っていこうかと思いますが、
しつけの視点から見ますと、まず大切なのは、 落ち着けるような環境作り です。 有能なトレーナーさんは、もちろん犬と対面しても凄いのですが、 各家庭の事情に合わせた環境作りのアドバイスが上手いんですよね。 僕のいた病院のしつけ教室でも、最初は犬を抜きにして、 最低30分以上時間をとって家庭環境も踏まえたカウンセリングをやっていました。 各家庭ごとに状況が違いますから、「落ち着かせるための一工夫」みたいなアイディアはいくらでも眠っていると思います。 ここではいくつかのアイディアについて説明します。 1.穏やかに接する 飼い主さん自身が落ち着いて下さいね、という事です。 飼い主さんの態度に応じて、愛犬もテンションを変化させます。 病気の程度に合わせてですが、必要以上に興奮をあおるような動作は避けて下さい。 例 * 犬の前で飛び跳ねる * 犬の前ではしゃぐ * 大声をあげる もちろん、「あなたに楽しい事があっても喜ぶな!」という事ではありませんのでご注意を。 あなたが嬉しければ、愛犬も嬉しいですからね。 2.抱っこしてあげる 放っておくと、はしゃいで走り回るような子は抱っこしてしまいます。 後述の優しくなでる、優しく声をかけると組み合わせると更に有効です。 外出先から帰ってきた時などに効果的です。 3.優しくなでる、優しく声をかける かなり効果的な方法の一つです。 飼い主さんが落ち着いてなでてくれたり、優しく声をかけてくれたりするのは 犬にとってとても嬉しい事ですし、とても落ち着きます。 最近は犬のマッサージ法が色々紹介されるようになりました。 興味と時間のある人は本やスクールで学ばれるのも良いと思います。 しかし覚えておいて欲しいのは、一番大事なのは 心を込めて触れること です。 どこをどういう風にマッサージするか?などのテクニックはその次です。 心を込めて、やさしく声をかけながら、 ゆーーっくり優しーーくなでてあげて下さい。 きっと愛犬もその方が嬉しいですし、効果も上がります。 ただ一つ注意点がありまして、心を込めるといっても、 * 治ってね、治ってね、必ず治ってね * 大丈夫かな、この子大丈夫かな * この子かわいそう… * こんなマッサージに意味あるのかな… などの呪いに近いような気持ちは込めないでくださいね。 逆効果になる場合もあります。 ちなみにちゃんとマッサージをすると副作用があります。 なんと一緒に飼い主も癒されます。 さて、いかがだったでしょうか? 色々紹介してみましたが、実は見方を変えれば、 飼い主であるあなたも、愛犬にとっては環境の一部です。 だから、あなたの対応を少し変えるだけで「落ち着かせる環境作り」の一つになると思います。 何かヒントを得られた方は、ご自身のやれる範囲で取り入れてみて下さいね。
「安静が大切なのは分かったけれども、ウチの子は安静にしてくれない」
という意見をお持ちの家庭は極めて多いと思いますが、その通りです。 例えばキャバリアなんてみんな人間大好きですし(伊藤の経験上)、 入院していると落ち着いていて、退院時大喜びで毎回呼吸困難になるマルチーズなど、 実際問題どうにも落ち着いてくれない子は僕も沢山見てきています。 そのため、 「やれる範囲で、穏やかに過ごせるように」 という基本姿勢がとても大事になります。 その基本姿勢をとった上で、 * 穏やかに接する * 抱っこしてあげる * 優しくなでる * 優しく声をかける などをしてあげると落ち着く事が多いです。 そういった一つ一つの技術的なお話しもしようと思いますが、 これらの事って、詰まるところ、しつけの範囲なんですね。 ですから、しつけの面から安静の方法を考えていくことも極めて重要です。 また、「全てのケースに当てはまる万能の方法は無い」ため、 出来るだけ多くのアイディア、方法を知っていると対応力は増します。 次回からはそんな具体的な話に触れていきます。
■前回までのあらすじ■
心臓が病気になった! ↓ 心臓の効率が落ちる ↓ いつもより頑張って血液を送り出す量を維持! ↓ 無理がたたる事により、心臓自体は弱っていく… ↓ 心不全(しんふぜん) と言う訳で、心臓が悪くなっていく過程においては、 心臓の頑張りがむしろ悪影響 という一面があります。 そのため、ほとんどの心臓病の治療においては、 いかに心臓に頑張らせないか がテーマであると言っても過言ではありません。 その、 いかに心臓を頑張らせないかという戦略の一つに、「安静」がある訳ですね。 だ・か・ら、安静は大事なのです。 心臓病の時にもらうお薬の多くも、心臓に頑張らせないようにするお薬です。 放っておいたら勝手に頑張る心臓に対して、 「まあ、そんなに頑張らずに気楽に行こうよ」 とブレーキをかけるイメージです。 ですから、安静にするというのは天然の心臓病のお薬とも言えますし、 心臓病のお薬は、ついつい興奮しちゃう子でも心臓を休めてあげられる方法だとも言えます。 僕は現在心臓病を専門としていますが、いいなと思うところは他の分野に比べて 比較的身体に優しい薬が多いという点です。 例えばきっと皆さんがもらっている、 ACE阻害薬(例 エナカルド、フォルテコール、バソトップ、エースワーカーetc) というお薬でしたら、間違って10倍の量を飲ませてしまってもほぼ平気です。 心臓って聞いただけで「うわあ恐ろしい!」みたいな反応を示す人は少なくないですが、 治療は結構マイルドにやっていたりします。 それでは、安静の大事さをお伝えしたところで、 次回からは具体的にどうやって安静にさせるのか?に進みます。
●ご質問
はじめまして。 今年で10歳のキャバリアのオスと暮らしてます。 1年以上前から心臓肥大などが原因で咳や軽い発作を起こすようになり、 通院と毎日薬を飲んでます。 雪が降った次の日に寒いせいか具合が悪そうで、4回倒れました。 夜に倒れた時には意識も朦朧とした様子で、痙攣を起こし口の力も抜けて失禁もしました。 しばらくすると起き上がりしっぽをふっていたのですが、すごく怖かったです。 発作が起きた場合はどうしたらいいのでしょうか? ●回答 ご質問ありがとうございました。 急に倒れられると周りの人間としてはとても驚きますし、怖いですよね。 特に発作は衝撃的な光景ですから、皆さんショックを受けられます。 発作で倒れると言っても、原因がさまざまですが、 ここでは心臓病で発作を起こして倒れた(=失神した)という仮定で お話しをさせて頂きます。 心臓発作で倒れた場合の対処法ですが、安静です。 と書くと、「何も出来ないのか…」のようにお感じになられるかもしれませんが、 むしろ何もしない方が良い場合もあります。 心臓病で失神するのは、脳への血流が足らなくなるからです。 人間でしたら、立ちくらみを思い浮かべてもらえば理解しやすいでしょうか。 立ちくらみを起こした際、どうするのが良いでしょうか? 無理に立ち上がったりしないで、じっとしてる事ですよね。 「じっと見てて、そのまま起きなかったら?」 確かにその可能性はあります。 本当に心臓が原因で失神が起きるレベルになっているのであれば、 心臓病もかなり進行しているでしょう。 しかし、それはもはや失神の対処をどうこうしたからというレベルではありません。 残念ながら、起こるべくして、起こったというべきでしょう。 飼い主さんが責任を感じられる必要はありません。 ちなみに、フワーッと意識を失っていく感じになりますから 激痛を伴ったりなどという事はありません。 手足をバタバタさせる場合もありますが、痛くて暴れているわけではありません。 また、失神の回数自体は治療次第でいくらか減らせるかもしれません。 もちろん、かかりつけの先生もきっと最善の手を尽くされているかと思いますが 失神の事も踏まえてお話しされてみてはいかがでしょうか。 以上で回答になりましたでしょうか? 不明な点はまたご質問下さいね。 |