心臓病の愛犬と「楽しく」暮らすため、獣医師が情報を発信します! 僧帽弁閉鎖不全症、拡張型心筋症など良くある病気の説明から、 飼い主として出来る事まで幅広くお伝えします。
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Author:心臓の獣医師
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●ご質問
生後100日で心肥大によって亡くなってしまった私の子(シーズー)はしゃっくりをよくしていたんです。それは関係あるんでしょうか? あれから3ヶ月…それがずっとずっと気になっています…。 ●回答 管理人の伊藤です。 ご質問ありがとうございます。 しゃっくりが心臓病と関係があるのか?とのご質問ですが、 僕の知る限りでは、明確な関係性は分かりません。 本当に生後100日のあたりで心臓病が原因で亡くなられるようなレベルであれば、 ・咳 ・呼吸困難 ・動きがにぶい ・元気がない(=寝てばかりなど) ・食欲がない ・成長が遅い などの症状が見られる方が一般的です。 ただ、 しゃっくりとおっしゃられている動作が、他の動作だった という可能性はあるかもしれません。 まさか、3ヶ月程度で愛犬とのお別れがあるなどとは予想もしていなかったでしょうから、 飼い主としてのお気持ちは察するに余りあります。 ショックを受けられて、当然だと思います。 生後3ヶ月で亡くなるほど心臓が大きくなっていたのであれば、 生まれつきの心臓の奇形があったと考えるのが一番妥当です。 もちろん程度の問題はありますが、 プロでなければそれに事前に気がつくのは難しいと思います。 僕は、個人的には、愛犬の幸せは生きた時間の長さによるとは考えていません。 愛犬にも、飼い主さんの気持ちはきっと伝わっていると思います。 場合が場合ですから、もう少し時間が必要なのかもしれませんが、 愛犬のためにも、その3ヶ月は愛犬にとっても意味があったし、幸せな事も多かったと考えられてみるのはいかがでしょうか? 以上です。 何か不明な点がありましたらお聞き下さいね。
●ご質問
現在、4歳半の♂シーズーを飼っています。 2歳になってすぐに、日に10回程度、呼吸困難?になり、 突然息を吸ったまま苦しみ身体を痙攣させるようになりました。 2日ほど様子を見ましたが、治まらないので掛かり付けの病院へ行きました。 すると聴診器を当てて心臓に異常があることが判明しました。 その時の心拍は52で、血液検査では異常は見られませんでした。 心電図をかけた結果、心電図の波形が非常におかしいという事で、翌日に獣医大学に 先生御自身が連れて行って検査をしてくださいました。 精密な心電図の他に、心臓エコーも調べて下さったようです。 結果は『拡張型心筋症』でした。 現代医学では治る見込みはなく心臓移植もできず、 できるだけ心臓肥大するのを遅らせるしか方法はないと言われました。 現在の治療として、 ・数種類の飲み薬・サプリメント・ヒルズの療養食・運動・興奮をなるべく控える、 ・診察は2週間ごととし異変があった場合は即日診察を受ける… といったものです。 お陰様で、現在は心拍75〜85を維持し、お散歩も日に1回10分だったのが20分行けるようになりました。 発症した当時、私が『何歳まで生きれますか?』と尋ねたら、 『個人差があるので何とも言えないが、5歳まで生きれれば良いと覚悟して残りの日々を悔いの無いように過ごして下さい…。』と言われました。 私は、自分から無理やり尋ねたにもかかわらず、その言葉を耳にした途端その場で泣き崩れてしまいました…。 先生は、嫌な顔一つせず私に診察台横にあったティッシュをくれて 『これはあくまでも最悪の場合です。これから少しでも長生き出来る様に一緒に頑張っていきましょう…。』 と、優しく言って下さいました。 あれから2年半…。今年の夏で5歳の誕生日を迎えます。 一時は、具合が悪く大好きなお散歩にも行けず、 せめて歩けなくても外の空気を吸って大好きな風景を見せてあげようと、ディスカウントショップでベビーカーを購入し、赤ちゃんみたいにベビーカーに乗せてお散歩してた時もあります。 あの時を思えば今、自分の足で歩き遊び呼吸も出来てる事に心から喜びを感じています。 出来る事なら、この幸せな生活が一日でも長く続きます様に願っています。 『拡張型心筋症』も『』心臓肥大』も心臓が肥大する病と聞いていますが、この病気の違いは何なのでしょうか? 拡張型心筋症の方が珍しい病と聞きましたが…。 どうか、この違いをお教え頂ければ有難いのですが…宜しくお願いします。 ●回答 はじめまして。 管理人の伊藤です。 大変な経験をされましたね。 当時どれだけショックだったか伝わってくる気がします。 さて、ご質問の拡張型心筋症と心臓肥大についてですが、厳密には違うものです。 拡張型心筋症は 心臓の筋肉が駄目になって、結果としてパンパンに膨らんでしまう(=拡張)病気 心臓肥大は 心臓の筋肉が分厚くなった状態 を指します。 と言っても分かりにくいかと思いますので、 水風船 を想像して下さい。 お祭りの時に売っている、中に水の入ったアレです。 心臓は血液の入った袋のような形をしています。 水風船で言ったら、風船部分が心臓、水が血液にあたります。 心臓の拡張というのは、水風船に水を沢山入れてパンパンになった状態です。 心臓の肥大というのは、水風船自体が分厚くなっている状態です。 という感じです。 診断・治療する獣医師にとっては大事な区別なのですが、 飼い主さんからすると細かくて難しいですので、混乱させないように、 心臓が大きくなる事 = 心肥大 と簡略化してお話しされる獣医さんが多いようです。 文字だけの説明で上手く伝えられたか微妙ですが、ご理解頂けましたでしょうか? ご不明の点はまたご質問下さい。 状態が落ち着いてきているようで良かったです。 お気持ちはその子にもきっと伝わっていると思います。 どうぞお大事にして下さい。
●ご質問
はじめまして。 今年で10歳のキャバリアのオスと暮らしてます。 1年以上前から心臓肥大などが原因で咳や軽い発作を起こすようになり、 通院と毎日薬を飲んでます。 雪が降った次の日に寒いせいか具合が悪そうで、4回倒れました。 夜に倒れた時には意識も朦朧とした様子で、痙攣を起こし口の力も抜けて失禁もしました。 しばらくすると起き上がりしっぽをふっていたのですが、すごく怖かったです。 発作が起きた場合はどうしたらいいのでしょうか? ●回答 ご質問ありがとうございました。 急に倒れられると周りの人間としてはとても驚きますし、怖いですよね。 特に発作は衝撃的な光景ですから、皆さんショックを受けられます。 発作で倒れると言っても、原因がさまざまですが、 ここでは心臓病で発作を起こして倒れた(=失神した)という仮定で お話しをさせて頂きます。 心臓発作で倒れた場合の対処法ですが、安静です。 と書くと、「何も出来ないのか…」のようにお感じになられるかもしれませんが、 むしろ何もしない方が良い場合もあります。 心臓病で失神するのは、脳への血流が足らなくなるからです。 人間でしたら、立ちくらみを思い浮かべてもらえば理解しやすいでしょうか。 立ちくらみを起こした際、どうするのが良いでしょうか? 無理に立ち上がったりしないで、じっとしてる事ですよね。 「じっと見てて、そのまま起きなかったら?」 確かにその可能性はあります。 本当に心臓が原因で失神が起きるレベルになっているのであれば、 心臓病もかなり進行しているでしょう。 しかし、それはもはや失神の対処をどうこうしたからというレベルではありません。 残念ながら、起こるべくして、起こったというべきでしょう。 飼い主さんが責任を感じられる必要はありません。 ちなみに、フワーッと意識を失っていく感じになりますから 激痛を伴ったりなどという事はありません。 手足をバタバタさせる場合もありますが、痛くて暴れているわけではありません。 また、失神の回数自体は治療次第でいくらか減らせるかもしれません。 もちろん、かかりつけの先生もきっと最善の手を尽くされているかと思いますが 失神の事も踏まえてお話しされてみてはいかがでしょうか。 以上で回答になりましたでしょうか? 不明な点はまたご質問下さいね。
心臓は病気になって効率が落ちても、いつもより頑張る事により
血液を送り出す量を維持します。 ところが、その無理がたたる事により、心臓自体は早く駄目になっていきます。 心臓がいよいよ頑張りきれずに音を上げ出した状態を 心不全(しんふぜん) と言います。 ですから、心不全とは病名ではありません。 病気によって、心臓が充分な働きを出来なくなってしまった状態を指します。 心肥大や、心不全という言葉が病名のように扱われていますが、 「(○○病になった影響で、)心肥大なんです。」 「(○○病が進行して、)心不全になりました。」 という風に、カッコの中身が本当はあるんですね。 まあ細かい話になってしまいますので、マメ知識程度の認識で良いですが… 忘れられつつあるかもしれませんが、このトピックは「安静」がテーマです。 次回からまた話が安静につながっていきます。 それでは次回に続きます。
心臓の頑張りによって、全身に送られる血液の量は保たれます。
そのおかげでかなり長い間、何の症状も現れません。 その、かなり長い間とはどれくらいでしょうか? もちろん、その子その子によって違いますが、 1〜2年はザラです。 3〜4年くらいもいるでしょう。 もっと長い子もいると思います。 それくらい長い間、心臓はいつもよりも頑張った状態で動き続けます。 生き物の体は知れば知るほど恐ろしいほど複雑に、正確に、綿密に、 その時の状況に合わせて最適な制御をしています。 この心臓の頑張りもその一つなのですが、 無理した状態は永遠には続きません。 心臓が頑張りきれずに「もう駄目」と音を上げ始める時が来ます。 我々から見ても分かるレベルの心臓病になっていきます。 次回に続きます。 |